2023年度 境港青年会議所 第59代理事長
岡空 聡(オカソラ ソウ)

【スローガン】
『感恩報謝』
【基本理念】
~当たり前に感謝し、行動にうつそう~
【基本方針】
1.適切な諸会議運営
2.青年会議所運動を見える化する情報発信
3.将来の見通しを立てたまちづくり
4.ダイバーシティにもとづく会員拡大と会員育成
5.地域社会におけるステークホルダーの増加
「はじめに」
私たちが当たり前に生活をして、何気なく時間が過ぎていく、そのような日常は将来にわた
って約束されたものではありません。昨今の新型コロナウイルス感染症拡大による社会課題や 国際情勢の変動により、住んでいる地域の持続可能性について考えさせられることが多くなっ ています。境港青年会議所は1965年に創立して58年目を迎えますが、誰のため何のため に存在し、存続しているのでしょうか?
境港青年会議所は境港市で唯一の青年経済団体です。地域の明るい豊かな社会の実現のため に、先輩諸兄姉の皆様が時代の変化に対応しながら常に先駆けの団体として、地域の諸課題の 解決に取り組んでこられました。20歳から40歳までの青年だからこそ出し合える英知を、 失敗を恐れない行動で形にしてきたからこそ今日の境港青年会議所、今日の境港市の日常があ ると考えます。
私自身は結婚を機にこのまちと関わるようになり、家族を持ち、11年の月日が経過しまし た。何気ない日常を当たり前に感じ、まちづくりは行政が行うものであると考えていましたが、 境港青年会議所に入会した後に転機が訪れました。自らの時間とお金を使い、まちをより良く するためにこんなに真剣に議論し運動する青年の団体があることに大変驚き、自分自身の意識 が少しずつ変わっていきました。毎年与えられた役職や役割を全うする中で、達成感を感じる と同時に、地域や自らの発展と成長の可能性に“感謝”の気持ちが芽生え、次第にその気持ちが 大きくなりました。40歳までの残された青年会議所活動の中で、そのご恩や先輩方の想いを 地域や所属する会員に伝えていきたいと、強く思っています。うけたご恩に感謝し、そのご恩 に報いるということを「感恩報謝」というスローガンで表しました。
2023年度は、創立以来、先輩諸兄姉の皆様がそれぞれの時代で社会課題を解決されてき たその功績と歴史にご恩を感じ、それに対して報いる心をもって、現在の社会課題解決のみな らず、将来のこのまちの見通しを立てた上での運動を展開すべく、行動にうつしていきます。
「1. 適切な諸会議運営」 適切な諸会議運営とは何でしょうか?
私は、定められた時間で物事を決めて、次なる行動にうつすことだと考えています。会議の 中でいかに建設的な意見を出し、事業をどうやってより良くしていくかという議論をすること を目指します。
境港青年会議所に所属する会員それぞれが持つ“時間”は有限であり、境港青年会議所として
はその大切な時間を預かっていると認識しています。今年度は今まで取り組んできた諸会議運 営をさらに発展させ、会議や委員会において開始時間と終了時間を守ることに取り組みます。 あらかじめ会議の運営時間を定めることで、会議に臨むまで確認、事前の情報共有など、それ ぞれの会員の行動の変化に表れると考えます。会議までの事前準備が充実することで、本番の 会議での議論がより踏み込んだものとなり、より良い事業に繋がると考えます。
今まで行っていた習慣を変えることは容易ではありません。会議の場が活発で、多様なアイ ディアが出る場とするためには、事前の内容把握や自分なりの代替案を考案する時間が大切と なります。デジタルツール等を活用し、委員会運営や諸会議運営に生かしていきます。
「2. 青年会議所運動を見える化する情報発信」 情報発信とは何でしょうか?
一方的な情報の拡散では目的を達成していないと思います。伝えたい相手に伝わってはじめ て“情報発信”になると考えます。市民の約 33,000 人に私たちの行っている運動が伝わり、ま た共感していただける情報発信を目指します。
境港青年会議所において、HP への情報掲載のみならず、Facebook、Instagram などの SNS ツールで情報発信を行っていますが、目指す閲覧数、フォロワー数や情報発信のタイミングな どのルールが曖昧であることから、必ずしも伝えたい相手に情報が伝わっていない現状があり ます。
今年度は積極的で戦略的な情報発信を目指し、具体的に動いていきます。私たちが展開して いる運動を、まず市民の方々に理解していただくことで、地域との繋がりもより強固なものに なると考えています。
ここでいう“戦略”とは、インターネット上などで情報が氾濫する現代で、持続的かつ強力な 優位性を築いて情報を伝えていくことを指します。私たちが行う運動について時間をかけなが らも市民の方に少しずつ理解していただき、「まちづくり=境港青年会議所」のような第一想 起のブランドイメージ構築、認知度向上を図っていきます。
「3. 将来の見通しを立てたまちづくり」 現在、人口約33,000人の境港市は、10年後はどうなっているのでしょうか?
日本全体で少子高齢化、人口減少の流れは起きており、簡単にはこの流れを止めることはで
きません。労働人口の減少から、各地域において生産性の低下もより浮き彫りとなることが考 えられます。誰もが安心して住み続けられるまちとなるために、青年会議所として現在の地域 課題を見つけて解決していくことに加えて、将来を見通した上での諸課題解決に向けて持続的 な運動を起こしていくことが求められます。
潜在的な地域課題を見つける上では私たちの主観的な目線だけでなく、客観的データや他団 体、市民の方々の考えを引き出して、課題を認識していくことが必要となります。また、現時 点から積み上げていく“フォアキャスティング”の考え方だけではなく、将来の境港像を実現す るために今何をするべきかという“バックキャスティング”の考え方も取り入れ、事業構築して いきます。
「4. ダイバーシティにもとづく会員拡大と会員育成」 境港青年会議所に所属する会員の個性は皆、同じなのでしょうか?
同じ地域の青年会議所に所属している会員であっても、育ってきた環境や立場が全員異な り、一人一人が違う個性を持っており、青年会議所はまさにダイバーシティの団体です。違う 個性を持つ人の集団が、“明るい豊かな社会を築く”という同じ志を持つためには、お互いに多 様性を受け入れることが必要であると考えています。多様性というのは青年会議所に限ったこ とではなく、社会全体の縮図であり、会社組織でも同様です。違う価値観を持つ人同士がお互 いを尊重しながら真剣に議論することで、より良い事業や運動が生まれると確信しています。
ただ入会を促して所属してもらうことが会員拡大ではありません。入会後に志を同じにする ことが会員拡大であると考えます。青年会議所の理念や組織について学ぶ場や、所属する会員 が成長と発展する機会を設けて、40歳までの限られた時間の中で、今まで以上に挑戦し続け ることができる組織を目指します。また、境港青年会議所を卒業した後も Active Citizen であ り続け、周囲にも良い影響を与えることができる人財の育成をしていきます。
多様な人財で形成され、様々な角度から諸課題解決に積極的に取り組んでいく組織を目指す ため、会員数の目標である、創立60周年で40名(シックスティーフォーティー)を合言葉 に同志の拡大をしていきます。
「5. 地域社会におけるステークホルダーの増加」 一個人、1つの団体などでできることは限られており、持続的なまちづくりをビジョンに掲
げるときに青年会議所メンバーだけの運動では、効果は限定的となります。「1+1が2では
なく、3にも4にもなる」というように、行政、企業、市民団体、市民などの関係人口を増や していくことで、運動の効果が複利的、複合的になると考えます。
では、どうすればステークホルダー(=関係人口)が増加するのでしょうか?
前述したSNSも活用した積極的な情報発信により、私たちの運動を理解していただき、事 業構築等の段階での課題、背景設定において他団体を巻き込んでいくことで、関係人口がおの ずと増えていくと考えます。この理想の形に少しでも近づいていくために、今年度は5つの基 本方針のもと、運動していきます。
「最後に」 “前人木を植え、後人涼を得る”というように、先輩諸兄姉の皆様の努力、運動のおかげをも
ちまして、境港青年会議所は58年目を迎えることができています。まずはそのご恩を感じ、 ご恩に報いるために、今度は私たちが前人となるべく木を植えるような運動をしていきます。
課題解決のために起こす今年度の運動が、やがて大きなムーブメントとなり、地域社会を巻 き込んだ運動となっていくことを目指します。
所属する会員全員の成長と発展の機会を与え続ける Servant Leadership(奉仕型リーダーシ ップ)の精神で、また、今ある当たり前の環境に感謝する「感恩報謝」の心を持ち1年間邁進 してまいります。
一般社団法人 境港青年会議所 2023年度理事長 岡空 聡